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この手帳は、患者さん・医療者双方の行動変容による、急性冠症候群(ACS)のさらなる再発予防を目的としています。患者さんの声・医療現場の声に加え、行動経済学的視点を組み込み、再発予防に最も重要な、LDL-コレステロールの管理強化をその中心として作成致しました。

ACSについてのお問い合わせはこちら

この手帳の使い方

①ACS患者手帳の使い方動画

これからの1年間は、ACS再発予防のためにとても大切な時期です。
再発予防には、LDL-コレステロール、すなわち悪玉コレステロールの管理が最も重要です。
最初に、「ACSはどんな病気なのか?」「なぜ治療を継続することが必要なのか?」を知っておくことで、治療に対する理解が深まると思います。
この手帳では、急性冠症候群「ACS」とはどんな病気か、なぜ再発予防にLDL-コレステロールの管理が重要であるか、そして退院後の自己管理・生活改善のポイントといった、患者さんの知りたい情報がコンパクトに学べるようになっています。
8ページには、LDL-コレステロールの記録ページがあります。病院で検査結果が出たら、その場で記録をするようにしてください。最初は面倒くさいと思うかもしれませんが、始めてみると楽しくなってくると思います。9ページのグラフが右肩下がりになり、55のオレンジ色の線を下回り、それを維持することが目標です。また、後半には血圧の記録ページがあります。毎日自宅で血圧を測定して、ぜひ記録をしてください。医療機関を受診する際は必ずこの手帳を持参し、医師に確認してもらうようにしてください。医師とのコミュニケーションがスムーズになります。この手帳は、現場の声を集約して作った、あなたを再発から守る強い味方です。
ぜひ、この手帳をご活用いただき、私たちと一緒に再発予防に取り組みましょう。

急性冠症候群
(ACS)とは

ACSってどんな病気?

  • 急性冠症候群(ACS)の主な原因は、悪玉であるLDL-コレステロールを含むプラークの破裂です。プラークは、多くなり過ぎた血液中のLDL-コレステロールが、冠動脈の組織に入り込み形成されるコブのようなものです。
    プラークが大きくなり破裂すると、プラークの周囲に血栓が形成され、冠動脈が狭くなったり詰まったりしてしまいます。
  • 冠動脈の血流が悪化すると、心臓に十分な血液が供給されなくなり、様々な症状が現れます。代表的なものが急性心筋梗塞です。これは、急激に冠動脈が詰まって、心臓の組織が死んでしまう状態です。不安定狭心症と診断された方もいると思いますが、不安定狭心症は急性心筋梗塞になりかかった状態のことです。

あなたの病気は急性冠症候群(ACS)です

  • 急性冠症候群(ACS)は、心臓に酸素や栄養を送る冠動脈が、狭くなったり詰まることによって起こる致死的な疾患です。
  • 主な原因は、LDL(悪玉)コレステロールを含む「プラーク」の破裂です。
  • 心臓の組織(心筋)が壊死し、心臓の働きが悪くなって、心不全になることもあります。
図1

ACSは1年以内が再発しやすい

  • 急性冠症候群(ACS)は、特に発症後1年間の再発率が高いことが知られています。ステント治療後のこれから1年が、治療の本番です。
  • 十分な再発予防には、LDL-コレステロールを55mg/dL未満に迅速に下げることが推奨されています。
  • これは、LDL-コレステロールの十分な低下により、急性冠症候群の再発リスクが低減すると報告されているからです。

ACSになったら

  • 急性冠症候群(ACS)は、発症すると短時間で死に至ることがあります。
    また、一度発症すると再発リスクが高いため、皆様の日々の予防が重要になります。
    今後、少しでも異変を感じたらすぐに主治医に相談してください。

急性冠症候群(ACS)の再発予防<目標>

LDL(悪玉)コレステロールが高いと危険

血中のLDL-コレステロール値が高いと、新たなプラーク破裂が誘発され、急性冠症候群(ACS)の再発リスクが増加します。

図2

ACS再発リスク

急性冠症候群(ACS)は、再発リスクが高い疾患です。
これまでの研究では、十分な治療を行っても、10%以上の方が再発すると報告されています。
では、そのリスクに対して、どのように予防していけば良いでしょうか。

再発のメカニズム

ACSの再発は、今回カテーテル治療を行った部位が、また悪くなってしまうことが原因のこともあります。
しかし、それだけでなく、他の部分に新たにプラークができたり、すでに存在している小さいプラークが進行して、再発の原因になる可能性もあります。
再発は、特に1年以内に起こる可能性が高いことがわかっています。
ACSの再発予防には、動脈硬化を進行させる「危険因子」の管理が重要です。

再発予防のポイント

動脈硬化を進行させる危険因子には、加齢、コレステロール、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙などがあります。
加齢が危険因子ということは「今まで大丈夫だったから」は、通用しなくなることを意味します。そして、その他の多くの危険因子は、治療することができます。医師の指示に従った適切な薬物療法と、生活習慣の改善が重要です。
なかでも、LDL-コレステロール、すなわち悪玉コレステロールのコントロールが、動脈硬化の進行を抑え、再発を予防するために最も重要です。ACSを発症した患者さんは、一般の方よりも厳格なコレステロールの管理が求められます。
LDL-コレステロールがしっかりと下がった患者さんは、そうでない患者さんよりも、3年後の死亡率が5分の1程度まで下がったという報告があります。
薬物療法により、悪玉であるLDL-コレステロールを低下させ、厳格に管理することと、生活習慣の改善が不可欠です。

LDL-コレステロール改善は、何より「薬」

  • 再発予防には生活改善も必要ですが、十分な量の内服薬(スタチン系薬)をきちんと服薬することが最も重要です。
  • 内服薬でLDL-コレステロールが十分に低下しない場合は、注射製剤の併用を早期に検討する必要があります。
  • これらの薬による、再発予防効果やプラークの安定化が、多くの研究により示されています。

脂質低下療法に伴う治療薬

LDL-コレステロールを低下させるために用いられる代表的な内服薬は、スタチンです。スタチンは、体内でのコレステロール合成を抑える作用があります。急性冠症候群(ACS)の患者さんは、発症後できるだけ早いタイミングから、強力なスタチン製剤を十分な量、飲み始めることが、治療指針によって強く推奨されています。スタチンの中には、グレープフルーツジュース(加工品を含む)と一緒に飲むと、薬が効きすぎたり、副作用が現れやすくなるものがあります。必ず、医師または薬剤師に確認をしてください。 患者さんによっては、スタチンに加えてエゼチミブを併用します。エゼチミブは、小腸からのコレステロールの吸収を抑える作用があります。効き方の異なる2種類の薬を合わせて服用することは、効果的なLDL-コレステロールの低下につながります。

服薬に関する注意点

下記の内服薬を指示通り服薬することで、ACSの再発率が低下します。命を守る大切な薬ですので、安易に中止することがないように、継続して内服していきましょう。もし薬を飲み忘れた場合は、気がついたときに、できるだけ早く飲んでください。
内服薬でLDL-コレステロールが十分に低下しない場合は、注射製剤の併用を、なるべく早く検討する必要があります。
併用を行うことによる、再発予防効果やプラークの安定化が、多くの研究により示されています。

LDL-コレステロール低下に用いられる代表的な薬

内服薬

スタチン系薬

治療の中心となる最も大事な薬です。筋肉痛や肝機能障害などの副作用が無い限り、減量や休薬することなく継続することが必要です。

エゼチミブ

コレステロールの吸収を抑える薬です。
スタチンと併用で用いられます。

注射薬(PCSK9阻害薬):基本的には内服薬と併用します

レパーサ
(エボロクマブ)

冠動脈の危険なプラークを安定化させたり、病気の再発率を低下させる効果が報告されています。ご自宅で使う自己注射製剤です。

レクビオ
(インクリシラン)

持続性に優れており、半年に一度程度の注射でLDL-コレステロールを低く保つことが期待できます。病院を受診した際に投与する薬です。

ACS後の患者さんにとって、LDL-コレステロールは低ければ低いほど望ましく、それを維持することがとても重要です。

急性冠症候群(ACS)脂質管理 連携パス
55mg/dL未満の早期達成と維持を

コラム
コラム

退院後の自己管理・生活改善

  • 自宅で毎日血圧を測定し、記録することが大切です。受診時にこの手帳の記録を担当医に見せて、内服薬の調整を相談して下さい。
  • 血圧・血糖値が目標値に到達しているか、受診の際に担当医と共に確認することが大切です。
  • 禁煙は絶対に必要です。
急性冠症候群患者における管理目標値
LDL-コレステロール
55mg/dL未満
家庭血圧値
125mg/75mmHg未満(75歳以上では135/85mmHgも考慮)
血糖管理目標
HbA1c 7.0%未満

再発予防における注意点<食生活>

  • 「コレステロール・飽和脂肪酸」を控え、「不飽和脂肪酸・食物繊維・抗酸化成分」を摂るのが基本です。
図3

再発予防における注意点<運動>

  • 運動には、HDL(善玉)コレステロールを増やしたり、中性脂肪を減らす効果があります。
  • 散歩などの有酸素運動を毎日継続することが重要です。

運動や身体活動の促進

急性冠症候群(ACS)の再発予防には、薬物療法に加えて、運動や身体活動の促進も重要です。適切な運動習慣を身につけることは、再発予防につながります。医師と相談しながら、ぜひ継続していきましょう。

運動療法のポイント

運動療法は、体調に合わせて、無理をせず取り組むことが大切です。
ご自身で取り組めるものとしては、ウォーキング、スロージョギング、水泳、エアロビクスダンスなど、全身を使った中強度の運動、すなわち有酸素運動です。
1回30分~60分、週5回以上を目標に行うようにしてください。

心臓リハビリテーション

心臓リハビリテーションとは、心臓病になった方に対するリハビリテーションであり、心臓の機能と身体機能の回復や社会復帰、再発予防を目指すプログラムです。
運動療法に加えて、学習活動・生活指導・相談(カウンセリング)などが含まれています。
もちろん、ACSを発症した皆さんも、このプログラムの対象です。 どこで、どのようにして心臓リハビリに参加していくのか、ぜひ主治医と相談してみてください。

急性冠症候群(ACS)の治療

生活上の注意

入院中

退院後(~3カ月後)

ACS再発予防、3カ月目の重要ポイント

退院後3カ月の皆さんへ

再発を予防する生活

再発を予防するために重要なことは、悪玉であるLDL-コレステロールを55未満に下げて、それを維持することです。
55未満が維持できている人は、自己管理がうまくいっています。このまま続けましょう。 55未満が達成できていない人は、服薬や食事などの生活習慣に改善の余地がある可能性があります。飲み薬で55未満にならない場合は、注射薬の導入を検討する必要があるでしょう。
次回受診の際に「医師へ聞くように、という動画を見ました」と言って相談してください。

退院後(4~11カ月後)

ACS発症から6カ月~再発の山場を乗り切る~

退院後6カ月の皆さんへ

危険な時期を乗り切る生活

ACSは発症後1年間の再発が高いことが知られています。あと半年、無事に過ごせると、特に危険な時期は乗り切れそうです。
再発予防のために、悪玉であるLDL-コレステロールを55未満に維持することが勧められています。
最近のLDL-コレステロールはどのくらいですか。しっかりと55未満を維持できていますか。血圧管理や食事・運動など、生活習慣についても、いかがですか。
再発予防は、皆さんと主治医や医療スタッフ、皆で行っていくものです。
ACS手帳はいつも持ち歩くようにしてください。主治医も、こちらの手帳があるとお話ししやすいです。

Q&A よくある質問

今後も治療を継続する必要はありますか?
はい。急性冠症候群(ACS)は再発率の高い病気です。良好なLDL-コレステロール値の維持を長期にわたって維持することが必要です。
LDL-コレステロールが低くなったので薬は減らせますか?
薬を減らしてしまうと、残念ながらLDL-コレステロールは上昇してしまいます。今後も減量することなく継続しましょう。
この病気はいつになったら完治しますか?
発症1年以降は「慢性冠症候群」という病名になります。再び急性冠症候群(ACS)にならないよう治療の継続が必要です。
どのような症状があれば受診すべきですか?
発症した時と同じような突然の胸部症状、徐々に増悪する胸部症状などがあれば、速やかに医療機関を受診することが大事です。
寿命は?発作が再発して死んでしまうのではと心配
ACSを経験され、不安なお気持ちをお察します。ただ、決して、「ACS=短命」ではありません。寿命については個人差が大きいですが、適切な治療と生活習慣の改善をすれば、元気に長生きすることも十分可能です。医学的なデータでは、ACS発症後の5年間生存率は約70~90%ですが、患者さんの健康状態・年齢・生活習慣によって大きく異なります。ACS後の長生きのカギは「再発を防ぐこと」です。そのためには「必ず薬を飲むこと」「定期的に検査をすること」がとても大切です。
今後、生活をしていく上で、できなくなることはありますか?
これまでと変わらない生活ができるかどうかは、ACSの重症度や治療内容、現在の体調によって異なります。ACSが軽症で適切な治療を受けた場合、多くの方は元通りの生活に戻れます。むしろ悪い部分を治療して、いくつかの予防のためのお薬を飲んでいますので、今までよりも安心して生活できるとも言えます。ステント治療を受けていても、基本的に生活の上で、何かできなくなることはありません。ただし、禁煙は必須です!喫煙は冠動脈に血栓を作りやすくしてしまいます。また、熱いお風呂での長湯は、血圧や脈拍を上昇させ、心臓にとって負担となってしまいます。体が脱水気味になって、冠動脈に血栓ができやすくなるリスクもありますので、控えるようにしましょう。
いつから仕事に復帰できますか?
一般的には、軽症のACSの場合、1週間から1カ月程度で仕事に復帰できます。一方で、重症のACSの場合は、回復に時間がかかり、3カ月程度の休養が必要になることもあります。また、復職の時期はお仕事の内容によっても異なります。デスクワークなど身体的負担が少ない業務であれば、比較的早く復帰しやすいですが、肉体的な負担が大きい仕事では、十分な回復期間を確保することが大切です。職場との調整や、休業申請・休業補償などの手続きが必要になることもあります。不安なことがあれば、遠慮なくご相談ください。
今後はどのくらいの頻度で通院すれば良いですか?
退院後しばらくは、だいたい1カ月ごとに病院に通院することになります。状態が安定してきたら、2〜3カ月ごとに病院もしくは、近所のクリニックやかかりつけ医に通院することになります。LDL-コレステロール値が安定し、症状の再発無く過ごせるようであれば、普段は定期的な精密検査などは必要ありません。
今後、血管がどうなっているか定期検査しますか?
昔は定期検査を行って、実際に冠動脈の状態を確認するということを行っていました。しかし、症状なく過ごせている患者さんに、そのような検査を行っても、その後の予防に必ずしもつながらないことが、様々な研究により明らかになってきました。現在日本では、症状が再発した患者さんや、再発リスクが極めて高いと判断される患者さんに対してのみ、CT検査やカテーテル検査を行って、冠動脈の状況を観察する、というのが一般的です。今後はとにかく、LDL-コレステロールの値をモニタリングすることが、最も重要になってきます。
心臓リハビリというものがあるようですが、やった方がいいのでしょうか?
はい、心臓リハビリは非常に重要で、ACSの再発リスクを低下させるという報告があります。実際に心臓リハビリを行うと、心臓の血流や酸素供給を改善し心機能が向上します。また体力や持久力がつき、日常生活で症状が出にくくなります。心臓リハビリでは、不安な気持ちのサポートや、食事や運動といった生活習慣のアドバイスなどを受けることもできます。医療チームの専門指導のもと、安全かつ効果的に進めることができる、ACSの再発予防に非常に有益なプログラムですので、ぜひ参加してみてください。
自分で運動などをした方がいいですか?
ACS再発予防のために、自分で運動することはとても重要です。ただし、いくつか注意点があります。まず、運動を始める前に、必ず主治医や心臓リハビリの専門家に相談しましょう。あなたの状態に応じた運動プランを提案してもらえます。また、いきなり負荷の強い運動をせず、ウォーキングや軽いストレッチなど、負荷の少ない運動から始め、徐々に運動量を増やすことが大切です。運動は無理せず継続することを心がけましょう。先ほど話題に出ました心臓リハビリに参加するのもおすすめです。運動中に少しでも異常を感じた場合は、すぐに中止し、医師に相談してください。
あれこれ頑張るのは自信がない、一番大事なことは?
生活習慣はすぐに変えられるものではないと思います。頑張りすぎて長続きしないようでは意味がありませんので、生活の中で無理のない範囲で始めていくことが重要です。ACSの再発予防において一番大事なことは、LDL-コレステロールを55㎎/dL未満にすることです。そのためには、薬をきちんと飲むことと、飲み薬で値が下がらない場合に注射薬を始めていくことです。受診の際は、医師と共に、LDL-コレステロールが55を下回っているかを確認するようにしましょう。

健診結果で再検査を指示されたのであれば、受診して医師の指導を受けてください。LDL-コレステロールを高いまま放置したり、喫煙を続けていると、突然倒れることもあります。
LDL-コレステロールは、悪玉コレステロールと言われている通り、動脈硬化を進行させる非常に深刻な危険因子です。160という値は、140以上がレッドカードであるという基準を超えているだけでなく、動脈硬化が進行している可能性が高いことを示しています。また、喫煙も動脈硬化を進行させる重大な原因の一つです。
高いLDL-コレステロール値を放置したり、喫煙を続けることは、まさに動脈硬化を加速させる行為と言えます。
心筋梗塞や脳卒中のリスクが非常に高まります。
生活習慣の改善は、病気の予防だけでなく、健康寿命を延ばすためにも重要です。
「バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙などが必要」と言われ続けても、元気な時は「やらなくても何とかなる」と楽観的に考えることも仕方ないかもしれません。
でも、健診結果が悪いということは、あなたの体が今まで通りには行かなくなってきている可能性が高い、ということを意味しています。
健診でLDL-コレステロールが高いと指摘されたら、放置せずに必ず受診するようにしましょう。
また、生活習慣の改善の中で「何か1つだけ」と言われたら、私は「禁煙」と答えます。
生活習慣の改善には、こちらのACS患者手帳があると心強いです。ぜひ今後も活用していきましょう。あなたに役立つ情報が満載です。

急性心筋梗塞は突然激しい胸痛に襲われます。胸やみぞおちが締め付けられるような、あるいは押しつぶされるような激しい痛みです。また、胸の痛みが腕、肩、背中、首、あごに広がることもあります。さらに、冷や汗、吐き気、嘔吐などを伴うこともあります。もし、強い痛みであれば、迷わず救急車を呼んでください。厚生労働省の2024年の調査によると、脳卒中や心臓病等が疑われる症状が出た場合、76.5%の方が「すぐに救急車を呼ぶ」と答えました。
逆に言うと、4人に1人は「様子をみる」などして、すぐに救急車を呼ばない選択をしています。海外の調査によると、急性心筋梗塞の患者さんの場合、発症から治療までの時間が1時間半を超えると、急激に救命率が下がることがわかっています。
発症から救急処置までの時間が転帰を左右します。
今回は、急性心筋梗塞の典型的な症状と緊急時の対応について解説しました。
冠動脈疾患から身を守るために、症状に気づいたら、ためらわずに救急車を呼んでください。